赤い月 肆

(今なら、ブルース効果で聞けるかな…)


だが先に口を開いたのは、景時に身を預けたままのうさぎだった。


「黒曜を愛していた時も、確かにあった。
今でも、大恩ある大切な者じゃ。
だが‥‥‥
あの者を愛しておった妾は死んだ。」


「え…」


うさぎから核心に触れてきた。

イインデスカ? コレ。

今までスルーと寸止めに泣いてきたのに?

聞いてもイイの?
知ってもイイの?

聞いた途端、地球が爆発すンじゃねーだろな。

驚いてうさぎを見下ろすと、彼女は肩にもたれたまま悪戯そうに微笑んでいた。


「女の過去を詮索するのは、野暮な真似。
だが… 知りたいのじゃろう?」




ハイ。
スンマセン。

全力で知りたいデス。

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