ラッパート!
那音先輩に言われた通り、僕らも負けじと挨拶をする。
コンクールのパリッとしたこの空気感。
そして、沸き上がる緊張感と躍動感。
「華村学園吹奏楽部の皆さん、こんにちは。これからチューニングルームへと向かいます。」
係の人に説明され、僕たちはチューニングルームへと向かう。
チューニングルームでの演奏時間はわずかしかない。
その中で、僕たちは本番に向けての調整をしなければならない。
「吟。」
「・・・・那音先輩・・」
「よくここまでついてきたね。」
「・・・はい。」
「ほんとはね、お前が一番心配だったんだ。」
那音先輩は笑いながら言った。