ラッパート!
それから、僕はただひたすらに練習を重ねた。
正直、ソロ・コンテストの時の彼の名前はすっかりと忘れていた。
それでも、あの手とあの音色は忘れることはなかった。
上には上がいる。
僕の頂点は、すごく低かった。
もっと行きたい。
遥かな高みへ―――。
”人は一人では生きていけない。”
僕は孤独だ。
誰も僕の心に気づきはしない。
誰も、僕の魂の音色に気づきはしない。
あのソロ・コンテストからずっと出し続けてきた、僕からのエス・オー・エス。
口下手な僕の、唯一の表情を知らせる、
僕のトランペットを――――――。