ラッパート!




そんなこと、誰にも言われたことがなかった。


・・・確かに、僕はずっと一人だった。

この部活に入るまで、僕を僕として認めてくれる人がいなかったから。



「今の吟は、誰よりもいい音をしてる。
聞いてくれる人のことを考えてる。
素晴らしかった。
だから、今日の結果発表を気にすることはないよ。」



にこやかに笑う。

僕もそれにつられてにこりと笑った。


そして、僕は色んなことを考えたんだ。



負け知らずだったの僕に、乗り越えるための壁があること。


上手くなりたい。

そのために、壁がある。






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