ラッパート!
それぞれの学校を聞いて、自由曲を聞いたあと、盛大な拍手がされる。
そして、次の学校が順番を迎える前、那音先輩は僕のほうを向いて尋ねた。
「まだ、不安?」
「・・・はい」
「俺、華村以外のトランペットパートが上手いなんて思えないけど?」
那音先輩は、僕を見て面白がる。
自画自賛。
それでもいいなら僕は迷わずにこういうだろう。
「僕たちが、一番です。」
「・・・自画自賛。」
「そうですね。でも、僕たちのが上手いと思います。」
「・・・・へぇ。言うねぇ。」
「それを教えてくれたのは、那音先輩です。」
僕はまっすぐにステージを見つめた。
次の団体が始まろうとしている。
次は僕らと同じ課題曲、そして自由曲だ。
でも、なにも心配いらなかった。
恐れてもいない自分がそこにいた。
核心とはちがう何が。