ラッパート!
充実感、自己満足とはちがう何かが、僕を包む。
ただ残りの団体の演奏を聞いた。
静かに流れる音楽は、まるで子守歌のように演奏を続ける。
「じゃあ、俺行ってくるよ。」
那音先輩は席を立った。
那音先輩は学校の代表の部長として、審査用紙や表彰状を受け取る役目があるのだ。
最後の団体の演奏が終了して、審査の発表の時間となった。
審査員の講評、そしてこのコンクールを主催する理事会からの挨拶が終わり、ついに、結果が発表される。
「二十番、大平第三中学校。・・・銅賞。」
すでに結果は発表されはじめ、舞台には、並んでいる那音先輩が見える。
吟、と声をかけられて、明や美鳥、そして他の部員達と手を固くにぎりあった。
僕らは、ひとつ。
僕は一人じゃない。