ラッパート!
「なんなんだよ、お前。」
「君こそっ」
どうやら、僕たちはどちらもトランペッターの血が流れているらしい。
強い人や上手い人を見ると、越えたくなる性格。
そして、一緒に演奏を楽しみたいという希望。
トランペッターは負けず嫌いが多い。
どんな演奏者でも、トランペットが好きだ。
向上心の塊なのだ。
「オーディション、受けろよ。
俺と一緒にコンクールでようぜ!」
山田君は、いつもの笑顔でそういった。
そして僕は、いつものように澄ました顔で聞いた。
「競争率高いのに大丈夫?」
「大丈夫だぜ!だから約束だ!」
”絶対にオーディションに受かって、トランペットパートを最強にする――――――!!”