ラッパート!
――――
部活の時間も、田中さんは元気のないままだった。
どうしたのかな?なんて、人の心配をしてみる。
それも初めてな気もしたけれど。
部活の時間が終わると、田中さんは地下にある音楽室へ歩いていった。
気になった僕は、こっそりあとをつけてみる。
そして、部活は終わったのに一人で練習をする田中さんを見た。
酷く困惑した音色がする。
確かに、あと一ヶ月もすれば、コンクールのオーディションが始まるのは確かだけれど―――。
ふと、田中さんが練習を中断させた。