ラッパート!
けれど、母親の言う完璧は、兄さんには完璧と思えなかったんだ。
「勉強ができること?楽器がうまいこと?上品なこと?」
僕は、訳もわからずに母親にしたがい、
何でもこなしてきた。
でも
”自分の意思を大切に”
「僕は、吹奏楽コンクールにでる。」
「何を言うの!吟!?」
「完璧じゃなくても、別に困らない。」
「!」
「人は、一人じゃないからだ。」
そういって、僕はリビングを立ち去った。
僕は、ただ話したかっただけだ。
仲間ができて、お互いの音を聞いて。
一生敵わないんじゃないかっていうくらいトランペットが上手い先輩がいて。
僕はそのまま家を出た。
もう一生帰りたくない。