ラッパート!
『吟、今日はプレゼントがあるんだ』
『なになに!?早く見たい!』
『じゃーん』
『わぁ!ラッパだ!』
『トランペットって言うんだよ』
『そうなんだ!ねぇ、吹いてもいい!?』
『いいけど、吹きかたわかるのかい?』
『知らない!』
そんなふうに始まった僕のトランペットとの生活。
はじめは楽しくて仕方がなかった。
でも、いつからか
ソロ・コンテストでの演奏や順位を気にするようになった。
確かに、スキルアップにはコンテストは最適だ。
音楽性も問われるし、一曲吹きこなすには、体力もいる。
それを吹きこなすためには、今ではもう考えたくないほどの退屈な基礎練習を、食べたものをはくんじゃないかってほどに吹き続けた。
それでもやめなかったのは、心の底に、トランペットが好きだという気持ちが根付いているからだ。