ラッパート!
続いてアレグロ。
軽快に、軽く。
それがアレグロの音楽用語だ。
楽しそうだった。
僕が見てきた、どんなプロの奏者よりも。
アレグロは、三連符へと変わってからが、すごく聞き応えがある。
三連符のファンファーレ。
このファンファーレは、フィンガリングはもちろん、タンギングの技術も必要だ。
ノーミス。
当たり前だ。
コンテストなんだから。
しかし、僕はこの演奏がずっと忘れられなかった。
あの温かかった手。
そして、あの楽しそうな顔。