ラッパート!




「あのさ、」



僕は、自然と言葉を紡いでいた。



「僕、こんなふうに友達と星を見るの初めてなんだ。」



自然と、笑いながら言えた。


今まで、自分の話を他人にしたことがなかったのだ。



「今までさ、特別仲がいい友達っていなくて、一緒に泊まったり、出掛けたりする学校行事が大嫌いだったんだ。」



いつも、一人だった。


だから、兄が僕に言った言葉の意味が、全くわからなかった。


自分のことを話す友人もいなければ、先輩もいない。


親が口を開いたかと思えば、しきたり、マナー、順位。


だからこうして人に言葉が紡げるって、すごいと思った。



「でもね、今こうして明と美鳥と一緒にいれて凄く幸せだよ。」



なぜなら僕は・・・・





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