ラッパート!
二人がいなかったら、確かにここにいることもない。
それと同時に、那音先輩がいつでも思い浮かんだのだ。
――――僕は知っている?
ずっと前から知っている?
あの音色
僕がいつもソロ・コンテストで追いかけていたような気がする。
小学生の時に二回ほど出たソロ・コンテスト。
どちらも自身満々で出たはずなのに一度も一位にはなれなかった。
だから、僕はついて行こうと思ったんだ。
那音先輩は忘れもしない、あの音色にそっくりだから――――。