碧い月夜の夢
「アルマ…!?」
しかも、今までに見たこともないような、アルマの大軍。
再び感じる、あの漠然とした恐怖感。
レオンはじっと、身動きもせずにアルマの大軍を睨み付けていた。
「にっ…逃げなきゃ…何してるのよ、レオン!!」
凛々子は動かないレオンの手を無理矢理引っ張って走り出す。
そして、走りながら、考える。
今日のレオンは、何だかいつもと違う。
口の悪さは相変わらずだが。
いつもの強気で勝ち気なレオンではなく、アルマが押し寄せてきているというのに、何処か上の空だった。
だが今はそんな事はどうでもいい、あれから逃げなきゃならない。
走って走って、凛々子とレオンはあの青い屋根の喫茶店に辿り着いた。
躊躇いもなく凛々子は喫茶店のドアを開けるとレオンの背中を押して、自分も店に入る。
そして、鍵をかけた。
「鍵とか…役に立つのかな…」
多少息を切らせながら、凛々子は小さく呟いて、店の中を見渡した。
もしかしたら、あの眼鏡の店員がいてくれるかも知れないという期待感は、すぐに打ち消された。
当然、店には誰もいない。
お客も、いつもの店員達も。
何だか勝手に入ってしまったようで、申し訳なく思ったが。
「レオン?」
入り口の近くで立ち尽くしたまま、レオンは俯いていた。
何処か重苦しい空気だったが、凛々子はそれを払拭するようにわざと明るく振る舞う。
「あっ…あはは、ごめんね、あたしがちゃんとあの穴を塞げないから、あんなに大量のアルマが」
「違う」
レオンは凛々子の言葉を、きつい口調で遮った。
凛々子は黙る。
暫くの沈黙が続く。
そして溜め息混じりに、レオンが言う。
「そうじゃない…あれは、テルラの住人だよ」
苦しそうに、一言一言噛み締めるようにレオンは言葉を紡ぎ出す。
あれがテルラの人間?
「そう? じゃあ、敵じゃないんだ…」
言いながら、凛々子は違和感を感じた。
さっきあれを見た時に、どうしてあんなに恐怖を感じたのだろう。
しかも、今までに見たこともないような、アルマの大軍。
再び感じる、あの漠然とした恐怖感。
レオンはじっと、身動きもせずにアルマの大軍を睨み付けていた。
「にっ…逃げなきゃ…何してるのよ、レオン!!」
凛々子は動かないレオンの手を無理矢理引っ張って走り出す。
そして、走りながら、考える。
今日のレオンは、何だかいつもと違う。
口の悪さは相変わらずだが。
いつもの強気で勝ち気なレオンではなく、アルマが押し寄せてきているというのに、何処か上の空だった。
だが今はそんな事はどうでもいい、あれから逃げなきゃならない。
走って走って、凛々子とレオンはあの青い屋根の喫茶店に辿り着いた。
躊躇いもなく凛々子は喫茶店のドアを開けるとレオンの背中を押して、自分も店に入る。
そして、鍵をかけた。
「鍵とか…役に立つのかな…」
多少息を切らせながら、凛々子は小さく呟いて、店の中を見渡した。
もしかしたら、あの眼鏡の店員がいてくれるかも知れないという期待感は、すぐに打ち消された。
当然、店には誰もいない。
お客も、いつもの店員達も。
何だか勝手に入ってしまったようで、申し訳なく思ったが。
「レオン?」
入り口の近くで立ち尽くしたまま、レオンは俯いていた。
何処か重苦しい空気だったが、凛々子はそれを払拭するようにわざと明るく振る舞う。
「あっ…あはは、ごめんね、あたしがちゃんとあの穴を塞げないから、あんなに大量のアルマが」
「違う」
レオンは凛々子の言葉を、きつい口調で遮った。
凛々子は黙る。
暫くの沈黙が続く。
そして溜め息混じりに、レオンが言う。
「そうじゃない…あれは、テルラの住人だよ」
苦しそうに、一言一言噛み締めるようにレオンは言葉を紡ぎ出す。
あれがテルラの人間?
「そう? じゃあ、敵じゃないんだ…」
言いながら、凛々子は違和感を感じた。
さっきあれを見た時に、どうしてあんなに恐怖を感じたのだろう。