ばかなじみ!!!!
重いまぶたを開けると、赤色。




目の前は赤色だった。





赤く燃え上がった炎。


激しい炎の海。





なんだよ、どうなってんだ?


何で赤ぃんだよ?


何があったんだよ?




「………うっ」




赤色の景色を目の当たりにして
動けなかった俺の近くで、
結乃の声がした。




「結乃!?」





狭い視界の中で結乃の細い腕が見えた。



死に物狂いで下敷きになっている
結乃を引っ張り出した。




「クッ!」



ガランッ……!!





パチパチと音を立てる炎の中で
退ける音が響いた。










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