火照って、のぼせて、気絶するまで
お風呂場での口付けは、酸欠状態になる。
ほてり、のぼせ、クラクラと。水分補給万全らしい彼は涼しい顔、こちとら水分足りないから、その口から唾液を飲む。
「水分不足している時は、水と一緒に塩がいいんだって」
「喉にベタつきそうですね」
声を出し上下した彼の喉仏に舌を這わす。
浮き出た汗を舐めたつもりでも、鼻腔を通るローズマリーの香りのせいで塩味とは程遠い。
「甘ったるい」
「君はそういうのが好きだから」
隠していてもお見通しだという笑みは、母親のそれか、悪魔のそれか。優しさのみならず、漬け込まれている気がしてならない。