LOVE PRINCESS(美鶴&琴)
「ちょっと待って、琴さん。それってどう言う意味?」
泣いている琴さんを椅子に座らせ、その前に屈んだ俺は下から覗き込む。
「琴さんって、俺のこと。好きなの? 嫌いなの?」
「……好き」
あ……、やば。
今のちょっと嬉しかった。
……けど、ちゃんと言うの忘れてたし。
「じゃなくて。
恋愛の好き嫌いね?
友達とかの好き嫌いじゃなくて。
う~ん、恋愛の好きなのか、友達として好きなのか、って事かな」
「……恋、愛として」
は?
完全に時が止まってしまう。
え?
今って、夢だっけ?
それとも現実だった?
目の前で、頬を赤くして泣いてるのは琴さん、貴女だよね?
「え? ちょっと待って。恋愛って? ……本当に?」
瞬きを忘れた俺がそう尋ねると、小さく頷いた琴さん。
それを見て俺は、椅子ごと琴さんを抱きしめた。