LOVE PRINCESS(美鶴&琴)
――コンコン
部屋の扉がノックされ、それだけで心臓が口から飛び出ちゃうくらいに驚いた。
さっきのお手伝いさんとは、別の人。
何人いるんだ?
高そうなカップに注がれたお茶なんて、飲んでる場合かっつうの。
「あのー、美鶴、美鶴さんは?」
「お坊ちゃまは、もうすぐ来られますよ」
とにっこり笑われ、にっこりお上品に笑い返した。
お坊ちゃまぁぁぁ!?
完全に金持ちの息子じゃないっ!
私、場違いもいいとこよね?
どうして……ここに居るんだろ?
美鶴……早く来てよ。
何してんのよ?
『あーここは俺ん家じゃないよ、友達ん家』とか有り得ない事言ってくれないかな?