LOVE PRINCESS(美鶴&琴)
――コンコン
あ!
美鶴!?
開いた扉からヒョコっと顔を出した美鶴を見て、安心した。
「美鶴ぅー……」
「琴さん、お待たせっ♪」
いつもみたいに子供っぽい笑顔を零しながら笑ってくれた。
美鶴のそばに行こうとした私の足は、勿論止まる。
そう……。
「はじめまして、美鶴の父です」
「はじめまして、美鶴の母です」
美鶴の後ろには、丁寧に挨拶するご両親!
「えっ! あっ、はっ、はじめまして……藤崎琴子です」
噛みまくり。
動揺しまくり。
あ……この高そうなスーツ。
って、これ確かブランドの新作のスーツだよ。
5~60万はしたっけかな。
こんなところは、さすが元水商売♪
欲しかったブランド物には目がないんだからっ!
って、そんな事はどーでもいいんだった。