LOVE PRINCESS(美鶴&琴)
「あ、もう出なきゃ間に合わないんじゃない?」
美鶴の言葉に、腕につけた時計を確認するご両親。
「あらっ、本当! ごめんなさい、琴さん。これから仕事なのよ」
「また今度、食事でもゆっくりしましょね」
そう笑顔を残して出て行く。
閉まった扉を見て大きな溜息をついた。
「あは、疲れたよね、ごめんね? 俺の部屋行こっか」
聞きたい事は沢山あったけど、取りあえず落ち着ける場所が先。
ここは、落ち着かない。
息が詰まっちゃうよ。
美鶴に手を引かれ部屋へ向かう途中も、お手伝いさん数人と擦れ違った。
本当何人いるんだろ?
「はい、どうぞ」
案内された部屋は、広いけど。
美鶴の香りがして、さっきの部屋なんかとは比べ物にならなかった。
私が見た事のある物があるし。
美鶴らしいって感じもした。