AZZURRI~AZZURRO番外編~
しかし

ブレイクにはなんとなく彼女がした事だとわかっていた

そしてそのまま墓標に視線を移す


「母上…。この娘を守れというのですか?」


聞いたことも無いような穏やかな声で尋ねるブレイクに
返事はない

しかし
宮殿を取り囲むように咲き誇る花が
肯定するように風に花弁を揺らした


それを確認して
ブレイクは墓標に向かって一礼すると

宮殿の扉を閉め
彼女を抱えたままそれに飛び立った


空には満月が輝いている
気温はぐっと低くなり

ブレイクは自分のマントで彼女を包み込む


「ご期待に添えるか解りませんが…
やれるだけの事はやってみます。

また来ます。」


零れた言葉は月明かりに包まれ
静かにオアシスへと落ちて行った
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