野球嫌いなあたしと、先輩。
「ちょっとアンタ!」


このまま、こんな奴のことでモヤモヤしたままなんてバカらしいし。


あたしはそのまま教室に乗り込んだ。


「……何?まだ何か用?」


相変わらずの冷たい目が、あたしを真っ直ぐ見る。


そして、教室にいた他の先輩達の視線もあたしに突き刺さった。


「昨日はごめん!」


「は?」


よっぽど意外だったのか、マヌケな声をあげた。


「手出したのは悪かった!そこだけは謝る」


あたしは真剣に気持ちを伝えた。


別に許して欲しいわけじゃない。

どう思われてたって、正直どうでもいい。


でも、やり過ぎたのは確か。


智に対しての過剰を指摘したのに、あたしが同じことしてるなんてありえない。
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