野球嫌いなあたしと、先輩。
「顔は悪くないけど、俺の方がいいだろうし。野球だって、1年にしては上手いけど、飛び抜けてるわけじゃない。性格だって、真面目なのが取り得なぐらいだろ?」


言っちゃ悪いけど、代わりならいくらでもいそうだ。


「アンタ、ほんとに性格悪いよね」


そんなこと自覚してるけど、ここまで面と向かって女に言われるなんて……

お前の性格もなかなか立派だよ。


「で?どこが好きなんだ?」


「……絶対に諦めない所、かな」


諦めない所?


「どんなに願っても叶わないことだって、ずっ と諦めてないし。んー……例えば先輩にいじめられても夢を諦めないよ、智は」


どんなに願っても叶わないこと?

一瞬、小田切の顔が曇ったのを俺は見逃さなか った。

それを俺の悪口で隠したつもり?


……どーでもいいか。
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