野球嫌いなあたしと、先輩。
「何か隠してんのに、強いフリして。本当は泣きたいのに、一人で我慢してる」


……違う。

違う……っ!


「俺自身もよく分かんねぇけど、夢の悩みを軽くしてやりたいって最近ずっと考えてる」


「い、意味分かんないってば!」


「たぶん俺……」


スッと皆川誠二郎の右手が、あたしの頬に触れる。


「いつか、お前に告白すると思う」


驚き過ぎて声が出ない。

息がうまくできない。


「覚悟してて」


最後にニコリと笑うと、また何事もなかったように歩き始めた。


「夢、帰ろう?」
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