野球嫌いなあたしと、先輩。
「そーゆーこと!」


智の好きなものは全部嫌い!

そう思い込まなきゃ生きていけなかった。


何か理由をつけて、踏ん張ってなきゃ倒れそうだった。


けど、あたしのこの汚い感情を智に知られるわけにはいかなかった。

だから智は……何も知らない。


「望姉ちゃんとは、智が間に入ってくれたから今は普通にできてるけどね。ま、智はただの姉妹喧嘩だと思ってるみたいだけど」


そういえば、あのときも智は必死だったなー。


「望姉ちゃんとのこともだけど、智には本当にいつも助けてもらってる。だから智のために何かしたいけど、あたしは智の望むことを何も叶えられないから……」
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