野球嫌いなあたしと、先輩。
「いや、こっちの話」


「ふーん?じゃあ、とりあえず考えとく」


あ、俺も練習戻らないと!


「気を付けて帰れよ!また明日なっ」


夢に背を向けて走り始めた、そのとき。


「誠二郎!」


え……っ?

声のする方向へ振り返る。


「智をいじめないでよねー!バイバイ」


内容は結局智のことだけど。

完全に俺は先輩だと思われてないけど。


夢の声で、俺の名前を呼んだ……!


絶対雨が降る。


今まで聞いたことがなかった大きな胸の音を体で感じて、どうしようもなく幸せな気持ちになってる俺は……

まじでどうしたんだろうな。
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