野球嫌いなあたしと、先輩。

えっ、何で……？


智の家の前に、何でアンタがいるの？


「誠二郎……？」


「よっ！あれ？泣いて出てくるかと思ってた」


ニコニコ笑う誠二郎。

ほんと最近よく笑うようになったよね。


「何であたしが泣くの！てか、アンタこそ何してんの？」


「え？夢が俺に会いたいだろーなと思って」


「はっ!?な、ななな何であたしがっ！」


う……っ、キョドり過ぎてて恥ずかしい！

でも……何だ？この気持ち。


「ま、俺が会いたかっただけだけどな？」


「……智に？」


念のため確認したあたしに、また全開の笑顔で誠二郎は言ったんだ。


「バーカ！夢にだよ！」