君へ


駅前のカフェでうち、雪、直也の三人で座り飲み物を注文してから全てを話した。

話してる途中、雪は怒ったり、俯いたりしてた。でも、最後には泣き出した。

直也は何も言わずただ黙って最後まで聞いていた。

話し終えてからは少しの間沈黙の中に雪の泣き声だけが響いてた。

その沈黙を破ったのは直也だった。

「辛かったね、とかそんなこと言われたくないだろうから言わない。同情もしない。ただ俺が言いたいのは、なんでそんな辛いこと一人で背負ってたの?ってこと!」

少し怒ったような口調で聞いて来た。

「うちは、蓮がうちらに隠してることがあることは気づいてたよ。でも、蓮が話してくれるの待ってよって直也と決めたんだ。だから、蓮が話してくれて嬉しかった。ありがと。」

泣くのをこらえながら絞り出すように話す雪。
雪がこんな風に思ってたことと普段はすごい元気で、毒舌だけど今みたいに泣きながら絞り出すように話したりする事を知った。

話してよかった。この二人なら大丈夫だ。きっと

「二人ともありがと」

「これからなにかあったら一人で背負わないで、うちや直也に相談してね。約束」

「うん、約束」

二人ともほんとにありがとう。


二人に打ち明けたことで、運命は変わったのかな?話したことに後悔はしない。けど、もし話さなかったらうちらの人生は交わらず、別々に伸びて行ったんだろうね。
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