君へ
~過去~ *空*
中学校のころ、俺には彼女がいた。
人懐こい性格で、少し天然というかおちょこちょいで守ってやりたいと思わせる。
中井 梨夏
中学校三年の時に、同じクラスになった。出席番号が前後ってこともあってすぐ仲良くなった。
告白したのは梨夏の方だった。
俺も、梨夏のことが気になってたからOKして付き合うようになったんだ。
でも、梨夏と付き合ったのは三ヶ月だけだった。
梨夏が小学校の時に両親が再婚した。でも、梨夏は義理の母親と上手く行ってなかったらしい。
六年後両親は離婚した。梨夏は両親の離婚を自分のせいだってずっと責めてた。最後には学校の屋上から飛び降りたんだ……
俺は、ずっと傍にいたのに全然気づいてやれなかった。
気づいてやってたら、梨夏のこと支えてやれてたら梨夏は今も生きてたかもしれない……
それから俺はずっと自分を責め続けた。
高校に入学したて、蓮に出会うまでは。
あの日の放課後……
日直だった俺は教室で日誌を書くために一人残ってたんだ。しばらくして書き終わった日誌を職員室へ持って行ってた間に蓮と雪が教室に入ったみたいだった。
しばらくして職員室から戻って、扉の前に来たときに聞こえたんだ。
「空、たまに悲しげな目をしてるよね?」
驚いた。自分以外誰も気づいてないってずっと思ってた。だから、気づかれてたことにすごく驚いた。
誰が、気づいてたのか気になった俺は扉を少し開けて中にいる人を見たんだ。
そこにいたのが蓮だった。
それから蓮が気になり始めた。
蓮と話すようになってから、どんどん蓮が好きになっていってた。
そんな時に嘉穂に告白されたんだ。
初めは迷った、けど蓮は俺のこと嫌ってる気がしてたから蓮を忘れるためにも嘉穂と付き合うことにした。
でも、結局蓮を忘れることはできなかった。
それが嘉穂を傷つけて、結果的に蓮も傷つけたんだ……