【完】友達以上恋人未満。
――――…ガヤガヤ……
市の駅はお昼だからか混雑してた。
私は人ごみを抜けて学校へ向かって走り出した。
穂美はかなりの方向オンチだから、久しぶりに来た私の家から学校に行くまでに何回か迷ったはず…
穂美と私の距離はだいぶ縮んだかな…
なんて思ってたら学校が見えてきた。
門はいつも通り閉まっていた。高さはだいたい…3mちょい。
「登るっきゃないな」
私は鉄格子に足を掛け、軽々と敷地内に入った。
昇降口でローファーを脱ぎ捨てる。すると横にも脱ぎ捨てられた、茶色のローファーが。
学校指定以外のローファーを履いてるのは…学校中探してもただ一人……
「ヤバい…穂美もう来てる…!!」