【完】友達以上恋人未満。
「もう徹〜!!
心臓止まったよ〜!!」
「ははっ!脅かし作戦成功」
びっくり顔のシイを存分にいじってから、俺はシイの隣に座る。
「ごめん、待たせた?」
「そーだよ!こんなに手がキンキンになるまで待ってたんだからーっ」
ぴとっ、と俺の首に氷のように冷たくなった手を当ててきたシイ。
俺のせいでこうなったのに思わず
「冷たっ」と言ってしまう。
俺はシイの手の上に、まだ暖かい自分の手を重ねた。
「徹の手、大きくてあったかい」
「シイが小さ過ぎるんだろ」
「そうかなぁ〜?」
シイは冷えきった小さな手を俺の首から離して、まじまじと見始めた。
そんな姿も可愛いんだよな…
ほんと俺ってシイのことが好きなんだと、改めて実感する。
「…それより俺に渡したいものって?」
シイは俺の質問にはっとしたように、紙袋をがさがさし始めた。
何だ何だ…??