親友を好きな彼


「聡…士…」

熱い熱いキスの後、その唇は首筋へと伸びていく。

時々香ってくる香水に、大翔が頭をかすめてくるけれど、その度に『由衣』と呼ぶ聡士の声に現実へと引き戻されたのだった。

二年前までは、こうやって大翔が抱いてくれていたのに。

全てが違う聡士の温もりなのに、それでも体がしびれてくる。

思わず漏れた甘い声に、聡士は少し息を荒くしながら、乱暴にネクタイを外した。

「可愛いじゃん由衣。こんな時の声は、かなり甘えてくるんだな?」

「そんな風に言われると恥ずかしいよ。でも…」

「でも?」

でも、止めて欲しくない。

もう自分でも、自分が分からない。

ただ、この一夜の夢を見たい…、それだけは間違いなかった。

「早く脱いで…」

ワイシャツのボタンを外していくと、聡士の手が私の服の下からするりと入り、胸へと伸びる。

たまらず漏らす声に自分でも驚くけれど、その度に聡士の手つきは荒くなり、それがますます私を感じさせた。

シャツを脱ぎ、見えた聡士の素肌は、想像以上に締まっている。

「由衣は色白なんだな」

「やだ…。そんな事言わないでよ」

羞恥心を捨て切れず、思わず体を隠そうとする私の手を掴むと、聡士はその体にキスを始めた。

「やっ…」

大翔となら、何もかも捨てて抱き合っていたけれど、さすがに聡士とだと半分我に返っている。

「いや?だけどさ、由衣の体はいやだって言ってないよ?」

「え…?」

とその瞬間、聡士が私の体の中に入ってきた。

それも、半ば強引に…。

そしてそれは、私を壊すには十分過ぎて、それまでの羞恥心はどこかに飛び…、

代わりに口から出る声は、どこまでも甘く、聡士に感じている証拠を見せていた。

きしむベッドの音。

絡み合う体は、少し汗ばみ、思わず出てしまう聡士への甘えの言葉に、その度に唇は塞がれ、ますますベッドのきしむ音は早くなっていくのだった。

「由衣…、マジで可愛い。もっと見せてよ顔を…」

その言葉に、うつろな目を向ける。

そして、今夜一番の早いきしみ音と、喉が枯れるほどの私の甘い声で、この夢は終わるのだった。


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