わたしの前から突然、消えたモノ…
でも…

顔だけは元のままの優しい笑顔。

それを知らせないように、隠そうとして ぼくを止めようとしてくれたんだね。

やっぱり優しい子だよ、きみは…

目の前にあったあなたの顔が…
少しずつうっすらとぼやけてきた。

ナミダのせい?

抱きしめてる身体の感覚も、
風船みたいに柔らかくしぼんでいく感じ。

あなたがわたしの身体を離そうと…
腕を伸ばす。

ちゃんと見て。
これがぼくのほんとの姿だから。

体の赤みは消え…
うっすらと透き通っていた。

向こうの部屋の景色が身体を通して見えてる。

そして、あなたは言った。
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