わたしの前から突然、消えたモノ…
きみはもう、マネキンなんかじゃない。

その心がぼくにはちゃんと見えたんだ。

昨日のナミダも、そして今のナミダも…
それがきみの持つほんとの優しさなんだ。

きみの暖かい心が伝わって、
赤い冷たい血をかき消してくれた。

ちゃんと前のぼくに戻してくれたんだ。

だから、これからは…
その心でほんとの幸せ見つけてね。

そして、そのときには君の心を

相手に素直に今みたいに伝えるんだよ。


そういい残してあなたの身体は
完全に部屋の景色に消えてしまった。

これもまた、夢?
わたしはずっと長い夢を見てるだけ?

でも…
玄関の下には彼女の写真が落ちていた。 裏にはちゃんと住所まで書かれている。

やっぱり、これも現実だったんだ…
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