わたしの前から突然、消えたモノ…
そしてそして…

二人の待ちに待った初デートが来たっ!

カレ好みの清楚な感じの服装。
それでいて、少し高校生にしては
大人っぽい感じに露出してみせてっと。

所詮、男なんだし…
ドキってしてくれるはず。

元々、スタイルには自信あるからねー。 きっとカレは喜んでくれるに違いない!

待ち合わせの公園に行くと…
もうカレの姿があった。

カレも同じくらい楽しみにしてた証拠。

ちょっと、照れながら
節目がちにカレに近寄る。

ごめんなさい、待たせちゃいましたか?

なんか、わたしらしくないセリフ。

ぜんぜん、いま、着いたとこだから。

カレは笑顔で答えてくれる。

すらりとした脚。
引き締まったウエスト。
それでいて、がっちりした上半身。
どれも、わたしの理想的な容姿。

でも、一番、好きなのは…

もちろん、その目鼻立ちの整った顔。
まるで雑誌から出てきたモデルみたい。

その顔にわたしも笑顔で
返そうとしたとき、

……



ない

ないないないないない

カレの首から上を見る。
やっぱり、ない。

あの大好きなカレの「顔」がない。

まるで消えたように…

透き通って向こうにある景色が
カレの顔を消していた。
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