わたしの前から突然、消えたモノ…
次に雑誌を手に取ってみる。

雑誌を見ても…ちゃんと顔はある。

雑誌のページをめくり確認しながら、
テレビのチャンネルを変えていく。

ふと、手が止まった。

それはニュース番組だった。
女子アナが現場からレポートしていた。

その女性の顔が……ない。

ふたたび、

パニック、パニック。

よし、冷静に考えてみよう。

プリクラには写る、
雑誌のなかも問題なし。
ドラマでも確認できた。

顔が無くなるのは…

実際に外にいる人物と、
あと、このニュース。

ニュースの隅には…
ライブと、書いてある。
生放送か。

で、出た結論。

いま、わたしが見ている
その実際の時間のときだけ
顔が消えてしまうってこと。

…か?

でも、それじゃ…

男の顔だけを楽しみに見てきた 、
わたしの生きがいが、なくなるって。

これは明日にでも病院にいくべき?

でも、先生も信じてくれないだろうな。

明日から、どうすればいいんだろ。

制服なんてどれもみんな同じだし、
声だけでトモダチの区別つくのか?

そんな真剣なこと考えているのに

わたしの頭は、コクリッ。

うとうと、うとうと。

明日になれば…

これが夢だったらいいなと
あわい期待をこめながら、

寝た。

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