ひ な た ぼ っ こ
決して…
リビングに降りると
食卓の机にあるものが。
父からだ。
もう起きたか?
学校ちゃんと行くんだぞ
出張で3日家を開けるから
5万置いとく。
そう綴られていた手紙の
横にくしゃくしゃになった
5万がおいてあった。
そう、決して…
決して悪い父じゃない。
ただ、ストレスの
発散方法が人とずれてるだけ。
そう、思おうとしていた。
それでもやっぱり我慢の限界だ。
父を
殺すという決心が揺らぐ
のを必死で掻き消し、
くしゃくしゃになった
だらしなくも
重みのある5万をポケットに
突っ込んだ。