社長の吐息プラチナの甘美な囁き
尚貴は立ち上がって、自分の唇に付いた私の口紅を指で拭い、キスの形跡を無くす。

誰とでもキスするし、Hもできる尚貴はキケンな男。

女の一生は男で決まる!

尚貴みたいな男に惑わされたら、絶対に不幸になる!!

「…」


でも、不覚にもその危険な男の仕草に、私の心臓は早鐘を打ち鳴らす。


「早く…フロアに戻りなさいよ」


私は高鳴る心臓の鼓動を知られたくないから、尚貴を急かした。


「胸を抑えて苦しいのか?」


無意識に私の右手はギュッとブラウスを握り締めていた。



「大丈夫よ…」


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