社長の吐息プラチナの甘美な囁き

ー早祐sideー

尚貴の顔にはいつもの余裕が無い…焦っている。

でも、奪われたくないと独占欲を見せる所は尚貴らしい。


「…お前…冗談で言っていると思ってるのか？」

「そんなコトはないけど」

「俺は本気だ…」



「…」



ソムリエがワインを持ってきて、目の前でコルクの栓を抜きワインをグラスにゆっくりと注いでいく。



「・・・」
スープも運ばれ、私たちはワインの入ったグラスをカチンと重ね合わせる。



「…返事は？」



「返事？…今すぐにしないといけないの？」


「何？早祐は元伊集院総理の親戚と見合いするのか？」

尚貴はキツイ口調で問いかけて私を詰りつけてきた。



「わ、私…尚貴と結婚したい…」



「じゃあ～決まりだな…お前のお父さんを説得する為に…子供作ろうか？」



「えっ？」


私の思考はコンピューターがシャットダウンするように停止した。