社長の吐息プラチナの甘美な囁き
尚貴は相馬尚貴となって…相馬家の婿養子になったんだ…


普通なら私の方が栗原早祐になるはずなのに。


尚貴は『サ○エさん』で言うなら『マ○オさん』なんだ。



「なんだ?」


隣に座る尚貴が私の視線に気づいたみたい。



「別に何も…」


「おい?あまり俺の前でいちゃつくな!」


お母さんに叱られたのに、お父さんは私たちに怒鳴り散らす。


「別に…私たちは…!?」


「新婚だから…何をしてもいちゃついてるように見えるんですね…お義父さんは…」



「うるさい…黙ってメシを食え!」


お父さんはテーブルをドンの拳で叩く。



「はいはい」
尚貴はトーストを齧った。

< 176 / 204 >

この作品をシェア

pagetop