社長の吐息プラチナの甘美な囁き
* * *



「ようやく…ふたりっきりになれたな」

私たちは飛行機に乗り込む。席はファーストクラス。


飛行機でイタリアのミラノへ行き、そこで一泊。

ジェノバからドバイ行きの豪華客船『クィーンエメラルド』に乗船。

甘い蜜月を海の上で過ごす。


上質な革のシートに二人で背中を預けた。



「言っちゃあ悪いけど…お前の親父…子供だな」


「え、あ…」


「いちばん大切な宝物を奪った俺が悪いのかな?」


「あ…」


「でも、俺は早祐を返すつもりないから」


「尚貴…」


尚貴は私の手を強く握り締める。





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