社長の吐息プラチナの甘美な囁き
私は慌てて尚貴の元に近寄った。


女は私に訊こえるように軽く舌打ちをして去っていく。



「知り合い?」


「ナ・ン・パ」

尚貴は言葉を区切って強調する。



「…お前…嫉妬深い女だな・・・」



「別に…私は・・・」



私は尚貴の隣に腰を下ろした。



「…俺から声掛けたんじゃないから。安心しろっ」



膝上に乗せた私の右手と尚貴の左手が重なる。



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