社長の吐息プラチナの甘美な囁き
尚貴は私の剣幕を他所に、背凭れに背中を預けて、椅子の座り心地を楽しむ。



「どいてっ!!」


私は尚貴に向かって右手を上げた。
そのまま、右手を掴まれて尚貴の腕の中に引き込まれた。



「は、離して…」


尚貴の爽やかなペパーミントのような匂いに包まれる。



「俺をそばに置いて独り占めしたいなら、素直に言えよ」


「はい?私があなたを秘書に…」


尚貴の艶のある瞳が近づいて来る。

私の後頭部に手を回して、唇をさり気なく奪った。





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