ひとり恋 ～マイセルフパラダイス～ （ロングバージョン）

あたしは女子だから女子と同室。

男子と同室だったら、それはそれで困っちゃうけど……。


「あたし、ゼッタイ上♪」

「あたしも上がいい♪」

「あたしも♪」

同じ部屋の女子たちは、みんな、われ先に二段ベッドの上を取り合っているけど、あたしはそんな気分にはとてもじゃないけどなれなくて……、

“みんなコドモだなぁ”

……なんて内心思いながら、はしゃぐ彼女たちをどこか冷めた目で見ていた。


結局みんなのベッドの取り合いが終わった時点で、あたしのベッドが自動的に決定。

入り口に一番近いベッドの下の段、そこがココでのあたしの寝床だ。

世の中じゃ、“残り物には福がある”なんて言うもんだけど、ハッキリいってあたしのはサイアクのベッドだった。

そのことに気づいたのは、その日の夜中。

なんせ、夜中に誰かがトイレに行く度にその音で目が覚めて、おちおち寝てもいられないベッドだったからだ。