ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
「このコ、誰?!」
「誰かは知らねぇけど、とにかく迷い子みてぇでさ、集合時間は分かってたんだけど、どぅ~してもそばを離れられない、ってゆーか、ちょっと動けそうになくってな」
エンエン泣きじゃくる小さな男のコ相手に、困り果てている北条くん。
でも、なんか微笑ましい感じがする。
さすがの彼も泣く子には勝てない、ってことか♪
あたしは「ちょっと待ってて」と言って迷い子の係の人を呼んでくると、彼を迷い子のお守りから開放してあげた。
「いや、助かったよ、ありがとな♪」
まるで肩の荷が下りたように、ホッとしたような笑顔を見せてくれる北条くん。
たぶんあたしなら、たとえ目の前で迷い子がわんわん泣いてても、見て見ぬフリをするだろうなと思う。
だって、小っちゃい子って苦手だし、ぶっちゃけ面倒なことに巻き込まれるのはカンベンしてほしいから。
それなのに北条くんはみんなに文句を言われるのを承知で、それでも最後まで迷い子の面倒を見ようとしていた。