ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
同じ15歳のはずなのに、あたしよりずっとオトナだと思って感心した。


「エラかったねぇ、北条くん。あたし、あとで先生やみんなの前で、どうして北条くんが集合時間に来れなかったのか、ちゃんと弁明してあげるからね」

「サンキュ!」

「ぶっちゃけ、あたし、北条くんがバスガイドのおねーさんのためにおみやげでも買いに行っちゃったんじゃないかと疑ったりもしてたんだけど、ごめんね、謝るよ」

「いや、謝らなくてもいいよ」

「え?」

「実際、すぅちゃんのおみやげも買ってたしな♪」

“すぅちゃん”っていうのはバスガイドの林田すずチャンのこと。

「さぁ~って、すぅちゃんに逢いにバスに戻るとすっかァ♪」


“せっかくオトナだな、って感心したばっかなのに、これじゃ、感心しただけソンじゃんか”


なんだかおもしろくない気分で、さっさとひとりで歩きはじめるあたし。

「ちょ、ちょっと待てよっ」

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