ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)

どうやら、あたしは彼のやさしい思いやりの気持ちなんてまるで考えようともせずに、年上のかわいいはんなりバスガイドにメロメロになった彼に、ひとりで勝手にイラついてたみたい。


恥ずかしかった。

恥ずかしいうえに、情けなかった。


あたしは自分でいうのもなんだけど、おとなしいほうだと思うし、そんなにハッキリと自己主張のできる人間じゃない。

だけど自己主張しないからといって、何も意思がないわけじゃないし、むしろヒトよりガンコなほうだと思う。

一度、怒ったら長引いて、ちょっとやそっとのことでは機嫌が直らない。あたしはそーいう人間だと思う。

われながら、やっかいな性格だとは思うけど、変われないからイヤになる。


今回のことだってそうだ。

彼が自分のための縁結びのお守りではなく、彼女のための安産のお守りを買いに行ったと分かった時点で、素直に勘違いだったと自分の非を認めて謝ればよかった。

それができないのはある意味バカだ―――



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