ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)


別にね、先生にエコひいきされてるとかはなかったけど、それでもいつも成績トップだったから、先生だけはどんなときもあたしの味方だと思ってたのに……。

もう、あたしの味方になってくれるヒトなんて、誰もいないんだ……。

そう思うと、一糸まとまぬ無防備な姿でひとりぼっちでいるという今のシチュエーションが、底知れない恐怖となってあたしのココロとカラダを襲ってきた。



あわてておフロから上がったあたしは、カラダもよく拭かないまま服を着て、まだ少し濡れたままの髪の毛の先から温泉の雫を滴らせながら、自分に割り当てられた部屋を目指してホテルの廊下を歩いた。


……と、その途中でロビーの脇の公衆電話にふと目が留まった。


“いるじゃん……あたしの味方……”


公衆電話に駆け寄って、おサイフの中からテレカを出して、指が覚えてる電話番号をピッポッパッってプッシュするあたし。

トゥルルルルルルルルルル……

トゥルルルルルルルルルル……

ガチャ……
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