ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)

「う、自惚れ……?」

「あたしのほうこそ、北条くんのこと、“男のヒト”としてなんか意識してないし、別になんとも思ってないよ」

ウソだ。

それに自分に気があるのかと思っていたあたしのほうこそ自惚れてたと思う。

「たださ、せっかくいとこに招待券もらったし、ゴミ箱に捨てるよりはマシなのかなと思っただけだよ」

「そっか……そーなんだ……」

彼はあたしにすまないような……、だけどあたしに言われてホッとしたような……、そんな複雑な顔をしていた。


「じゃあ、バイバイ」


ホントは「また、あした」って言うつもりだったのに、思わず「バイバイ」って言ってしまった。


放課後の校舎を飛び出したとたん、空から落ちてきた冷たいものに、興奮して火照っていたあたしのカラダは“ビクン”となった。

「雨!?」

天気予報がハズれたんだ。

あたしはカサを持っていない。


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