ひとり恋 ~マイセルフパラダイス~ (ロングバージョン)
あたしの普段着は、母に買ってもらった某ファッションセンターの服ばっかで、ブランドアイテムの服なんて一着もない。
……ってか、それ以前にそんなおしゃれなアイテムを売ってるようなお店に行ったことすらない。
おしゃれなんて、もう少しオトナになってからすればいい、って思ってたし……。
出遅れた……。
みんなから完全に出遅れてしまった……。
その後、小説なんかそっちのけで、久保さんたちのおしゃれな会話に、耳をDンボのようにデッカクしたのはいうまでもない。
そして少年自然の家から帰ってきたら、本屋さんにソッコー直行してSブンTィーンを買うしかない、って思った。
モチロンおしゃれの勉強をしてモテモテになるためだ―――――
× × ×
翌日あったオリエンテーリングも、もはや、あたしにとってはどーでもいいものでしかなく、ただひたすらに“早く終わらないかなァ”とココロの中で繰り返すだけだった。